知らないと差がつく坂道の走り方と坂道が強くなる練習方法
坂道がないマラソンコースは残念ながらありません。だからこそ坂道の楽な走り方をマスターしましょう。
坂道ってしんどいから走りたくないんだよね。すぐ疲れるし。
坂道を下りだすとペースがついつい早くなっちゃってそのあとバテるんです。
坂道は走り方がわかれば苦手意識も克服できるよ。
初心者でもできる坂道に強くなるためのトレーニング方法もやってみよう。
市民マラソンになるとほとんどのレースでは坂道のコースがあります。
逆に坂がないレースの方が探すのが難しいです。
坂道は上手く走れると他のランナーと大きな差がついて有利になりますが、苦手な人も多いです。
市民マラソンでは難所や名物として坂道を設定しているところも多く、初心者の場合だと挑戦せずに歩く人が多いのが残念です。
なぜ坂道のコツを知っていれば有利になるのか?というと他のランナーも坂道を走るのが苦手だからです。
今回は坂道を上手に楽に走る方法について紹介しますので、しっかりとコツを理解して坂道に強くなりましょう。
上りの坂道の走り方とペース配分
上り坂は小刻みに前傾姿勢で走ろう
「上り坂は下りよりも苦手だ!」という人が多いのですが、実際のところは上り坂の方がコツさえつかめば簡単に走れるようになります。
上り坂が苦手だというランナーの多くが平坦な道と同じように走ろうとして足に疲れをためやすいのです。
そこで以下で紹介するコツで上り坂を走れるように意識してみてください。
- 小刻み歩行で少しずつ前に進む
- 上り坂のてっぺんに視線を向ける
- 前傾姿勢で進む
- 腕はできるだけ振ろう
上り坂を走るコツというのはこの4つだけです。
実際に気にしながら走ってもらえればわかりますが、坂道は大股で走るよりも小刻みに走る方が足が疲れにくいのです。
また前傾姿勢にすることで重心が前に向くために、足を前に出しやすく負担が少なく上ることができます。
さらに腕を振る意識を強くすることで、腰にひねりが加わるため上り坂でも足が出やすくなります。
ペース配分は小刻み歩行と腰のひねりで足を前にだしていくため、平坦な道を走るよりもやや遅めのペースが足への負担が少なくておすすめです。
実はこの上り坂の走り方は神戸マラソン2015の前日のトークイベントで有森裕子さんが話されていました。
実際に世界の舞台を走り抜けてきた有森さんの経験談だけにかなりマネするべき坂道の走り方だと言えます。
下りの坂道の走り方とペース配分
下り坂は足の着地ポイントに注意、無駄に筋肉に疲労を残さないようにしましょう。
坂道の走り方で難しいのが下り坂ですね。
その理由は下り坂は勢いがつきすぎてしまうことがあったり、逆に着地ポイントを間違うと失速してしまうことが難しさの原因です。
しかし下り坂も上り坂も実は走り方のポイントが似ているためコツをつかめばスタミナのロスを最小限にできます。
では下り坂のランニング方法のコツを紹介します。
- 怖がらずに前傾姿勢で走る
- 小刻み歩行で走る
- 膝のクッションを使って走る
- 足の着地はフラット着地
下り坂の上手な走り方のポイントはスピードがでるので恐怖心から重心を背中側にしないことです。
イメージ的には小刻み歩行で、トントントンとリズムよく坂を下るのがベストです。
膝のクッションを使って走る理由は、膝が伸びている状態だとより下りのスピードが加速してしまいやすいためと、膝への負担が大きいためです。
最後に一番重要なのが足の裏全体で着地をするフラット着地で走りましょう。
かかと着地の場合だと、せっかくのいいペースで下っていても着地するたびにブレーキがかかって失速したり、前傾姿勢が崩れてしまいます。
着地の方法ひとつで大きく変わってしまうので、せっかくの下りのスピードを失速させないようにしたいものです。
ペース配分に関しては、あまり勢いをつけすぎると足の回転が速くなりもつれたり、転倒してしまう危険性もあるため、平坦なコースと同程度のスピード配分がおすすめです。
また下り坂で頑張りすぎると太ももの筋肉にダメージを残しやすいので翌日の筋肉痛がかなり辛いものになりますよ。
初心者でもできる坂道の練習方法とは?
もしあなたが参加するマラソン大会のコースがわかればそのレースに坂道があるのか、ないのかをチェックしておいた方がいいです。
またどれぐらいの坂なのかも知っておくとレース本番で生かすことができるでしょう。
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では坂道の練習方法をお話しします。
まずあなたのランニングコースや近隣で50mから100m以上続く坂道はありますか?
その坂はあまり急な坂道ではなく緩やかな坂道でもいいですね。
条件に合う坂があれば1週間に1回程度で構いませんので10本から20本坂道ダッシュをしましょう。
坂道ダッシュの方法は上りはほぼ全力疾走する感じで、下りはジョギングのようにゆっくり降りる、または場合によっては歩いても構いません。
この坂道トレーニングで得られる効果とは、
- 坂道を走るための基礎ができる
- ダッシュをするため坂道での小刻み走行がマスターできる
- 坂道に必要な太ももの筋肉を強くすることができる
- 心肺機能が強くなるのでスピードが向上する
- 集中して行うため坂道への苦手意識が減る
この坂道練習は同時にスピード練習でもあるので1週間に1回程度やっておくことをおすすめします。
■関連記事 マラソン初心者にスピード練習は必要?
なぜなら早く走れるようになれば同じスタミナを消費してもより遠くまで走れるようになるからです。
マラソンにおいてはスピードを上げられるようになれば車でいう低燃費状態になるので坂道攻略と合わせて練習することをおすすめします。
まとめ
坂道の上り坂、下り坂の走り方とペース配分についてお話ししました。
たしかに坂道は慣れるまではしんどくて、嫌だなと思うかもしれませんが同じようにマラソン初心者の方々も坂が苦手のはずです。
やっぱりみんな苦手ならここを強化さえすればかなり差が生まれますよね。
ここで坂道の走り方のコツをあなたが知っていると、上手にスタミナのコントロールができたり、筋肉に疲労を貯めこまないのでライバルよりも楽に走り続けることができます。
今回は走り方のコツを紹介しましたが、実際に練習もしてみてくださいね。
できれば坂道のあるランニングコースをもう一つ用意するというのもいいですね。
毎回走らなくてもいいと思いますが、週に1回は坂道を走っておくと実際のレースで気持ちよくごぼう抜きできるかもしれません。
紹介した坂道トレーニングはスピード能力も高められるので一石二鳥でオススメです!
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